早和果樹園のみかん肌まろ化粧品


龍谷大学経営学部の藤岡教授とゼミ生が、早和果樹園にやってきたのが2014年。そこから新しいコラボ商品が次々と生まれました。

・・・・・教授からゼミ生に渡された課題は、「みかんの皮」。

みかんの皮は、食べるときには基本的に捨ててしまう「残渣」。しかし、乾かせば漢方薬の陳皮になり、お風呂に入れればリモネンなどの成分が溶けだし保温効果にと、高いポテンシャルが秘められています。当時の藤岡ゼミの3回生は、4班に分かれ、みかんの皮を活用した商品を開発することになりました。


まず最初の課題は、「みかんの皮を使った商品を作ること」。ゼミ生各自に3個のみかんが手渡され、次のゼミまでにみかんの皮を活用した商品を作って持ってくることになりました。出てきたものは、パウンドケーキ、みかん塩、みかんピール、みかんキャンドル、みかんの万能クリーナー液、みかんペーパーなどなど…。けっこういろいろな活用策があることをみんなで確認しました。




次の課題は、「グループごとにみかんの皮使った商品を作って、売ってくること」各グループに20個のみかんが配られ、手づくり市などで実際に販売することになりました。あるグループはみかんの皮で染めたトートバックを販売。「みかんの皮で染めたら、ながいいの?」とお客さんに質問されるも、うまく答えられず。結局、1個しか販売することができませんでした。




ゼミ生達がみかんの商品を考えていく中で、みかんそのものについてもっと知る必要があると考えるようになり、みかんについて本や論文を調べていくうちに、みかんは生鮮食品として初めて機能性表示食品に認定されていることや、体に良い様々な効能があること、さらに肌にも良い効能があることを学びました。ゼミ生たちは、開発する商品を通じてみかんの効能をより多くの人に知ってもらいたいという想いが生まれはじめたようです。他の班は食品としての活用を目指したが、一つの班は食品ではなく、「化粧品」での活用を目指すことに。



洗い流したりせず、みかんの肌への効能を直に感じてもらえるものは何かと考え、商品案を基礎化粧品に決定。まずその第一弾として、化粧水から取り組むことになりました。

ただ、商品案が決まったものの、どうやって化粧水を作るのか、そもそも化粧水は作れるのか、全くわからないところから手探り状態でのスタートでした。



化粧水を作るにあたって、どういう手順が必要なのかをゼミ生たちは調査をはじめました。化粧水を作るにはまずOEMメーカーと呼ばれる製造を請け負ってくれる企業が必要だと知り、ネットを駆使して各社に問い合わせをはじめました。学生だからととりあってくれない企業も多かったらしく、このOEMメーカー探しは大いに苦戦したようです。並行してターゲットやチャネルの勉強をし、その後なんとか最終報告の直前に協力してくださるメーカーを見つけたようです。そして遂に早和果樹園へのプレゼンの日が・・・!


最終報告で案が通り、実際に商品開発に向けて動き始める。まずみかんの皮から「ウンシュウミカン果皮エキス」を抽出し、そのエキスを使った試作品作りから、容器の選定、パッケージデザインなど、主体となって進め、試行錯誤を重ねながら一つ一つ確定していった。



以下、開発に携わったゼミ生談

「初めて完成品を手にした時は、可愛くて仕方ない気持ちでいっぱいでした。みかんの素晴らしい効能をより多くの人に知ってもらいたいという想いで作った愛情たっぷりの化粧水です。是非一度お試しください!」